セッションギタリスト、Phil Upcharchのリーダー作「Darkness, Darkness」です。
LPでは2枚組だったものが、CDでは1枚にまとめられています。モノトーンのジャケットからもわかるように、いぶし銀の魅力の詰まった作品です。普段は裏方に徹していることもあり、ここぞとばかりに全編ギターを弾きまくっています。その存在感たるやかなりのもの。まるで目の前でプレイしているかのようです。個人的には#3「What We Call The Blues」のワウペダルが冴えまくるプレイや、#7「You've Got A Friend」のハジけっぷりなどが気に入っています。決して派手さがあるわけではありませんが、ビブラート、チョーキングのいずれを取っても、表現力が豊かで感心させられます。
10代、20代の頃にこのアルバムに出会ったとしても、おそらくスルーしたかと思います。三十路も半ばを過ぎた今、ようやく作品の良さがすこしずつ分かってきたのではないかと思っています。