March 12, 2010

 WILLCOM支援正式決定、事業分割へ

支援の枠組みをめぐって大詰めの調整が続いていたWILLCOMですが、スポンサー会社となるソフトバンク、アドバンテッジパートナーズとの間でようやく合意書を締結したとのことです。これを受けて、企業再生支援機構の支援も正式に決定。同日、会社更生手続きが開始されました。

合意書の骨子は次の通りです。

  1. ウィルコムはPHS事業を継続し、APファンドは、ウィルコムに対し出資する
  2. ソフトバンクは、ウィルコムのPHS事業におけるコスト削減について協力をする
  3. 企業再生支援機構はウィルコムに対し、再生のため必要な資金を融資する
  4. APファンドとソフトバンク等は、ウィルコムのXGP事業を譲り受ける
  5. 新会社は、基地局ロケーションを譲り受ける。ウィルコムは、当該ロケーションを共用しコストシナジーを図る

PHS事業には企業再生支援機構が融資を行い、アドバンテッジパートナーズは3億円を出資します。ソフトバンクとは業務提携を結び、コスト削減などで協力を仰ぎます。一方、新しい通信規格のXGP事業はアドバンテッジパートナーズとソフトバンクが出資する新会社に事業譲渡されることに。XGPの未来は新会社に託されることになりました。噂されていた通り、PHS事業とXGP事業が分割され、それぞれ別の会社として新たなスタートを切ることになるわけです。現段階では枠組みのみ合意したとのことで、スケジュールなどはこれから詰めていくとのこと。

WILLCOMの未来を担うはずだったXGPが別会社へと譲渡されてしまうことが、実に残念です。ただ、今後はMVNOとして提供されることも考えられます(それはそれで、ちょっと寂しい感じがしますが)。いずれにしてもPHS事業については、まずは磐石な経営基盤を築くことが急務になります。

しばらくは契約数の減少など苦しい状況が続きそうですが、企業再生のエキスパートとともに何としてもこの難局を乗り切って欲しい。いちユーザとして、そう願わずにはいられません。

投稿者 bitterbit : March 12, 2010 09:21 PM