先日購入したイミディエイトのシングルBOXで、「??」な曲が収録されていることに気がつきました。
英国サザンプトンで結成されたサイケバンドLes Fleur De LysのデビューシングルのB面で、タイトルは「Wait for me」となっています。しかし、実際に聴いてみると同レーベルのブルースのコンピレーション「BLUES ANYTIME」に収録されたThe All Stars feat. Jeff Beck「Chuckles」そのものなのです。これは手違いなのか、あるいは意図したものか? 妙に気になったので調べてみました。
すると、Les Fleur De Lysのオリジナルメンバー(Dr.担当)である、Keith Guster氏のwebサイトにこの顛末が紹介されていました。それによるとバンドはイミディエイトと契約し、Jimmy Pageプロデュースのもとシングルをリリースすることに。しかし、A面はバディ・ホリーのカバー。彼らはそれが気に入らなかったのですが、B面には自作の「Wait For Me」が収録されることもあり、話は進んで行きました。しかし、実際にリリースされたレコードのB面は、別ミュージシャンによる同じタイトルのインスト曲でした。この出来事にベース担当のメンバーは落胆し、バンドを辞め音楽業界からも足を洗ったそうです。その問題の曲が「Chuckles」だったというわけです。
では、オリジナル版「Wait For Me」はどんな曲だったのかといえば、偶然にも来月ACID JAZZレーベルからリリースされるレコードに収録されることになっています。こちらはLes Fleur De Lysのレアな曲を収録したEPで、お目当ての「Wait For Me」をyoutube.comで試聴することが出来ます。実際に聴いてみると収録されたインストナンバーとは全く別物。アルペジオが印象的で軽快なビートの佳曲です。なぜお蔵入りになったのか疑問です。
当時、どのような判断で差し替えが行われたのかは分かりません。いずれにしても、タイトルだけ残して別の曲にしてしまうのは酷な話です。