秋の夜長にまったりゆったりと聴くのにもってこいのジョアン・ドナートのアルバムです。
どこか垢抜けないマスコットキャラクターを「ゆるキャラ」といいますが、このアルバムにキャッチコピーを付けるのであれば「ゆるボサ」といったところでしょうか。元々ボサノヴァといえば、ゆるいというかゆったりした曲調のものが数多くあるわけですが、ヘタウマ、いや個性的で味わい深いボーカルと相まって、ふわふわとしたゆるさが相乗効果を発揮しているのではないかと思います。特に#9「Nana Das Aguas」の力の抜け切ったノリは、一度ハマるともう抜け出せなくなります。それから、ほぼ全編で聴く事がの出来るエレピ(Rhodes?)がまた抜群に素晴しく、作品のゆったり感をしっかりとサポートしています。
とはいえ、この何とも言えない雰囲気を文章で上手く伝えられないことが、もどかしいところです。やはり、実際にCDを手にして聴いていただくのが、作品を知る意味で一番ではないでしょうか。