旧聞に属する話となってしまいましたが、RIM(Research In Motion)社が、Webkitベースのモバイルデバイス向けブラウザ「Iris Browser」の開発を手掛けるTorch Mobile社を買収しました。
RIM社はカナダの企業で、欧米で広く使われるスマートフォン「BlackBerry」の開発元として知られています。こちらの端末にもwebブラウザが搭載されているものの、iPhoneなどの競合製品と比較すると見劣りするとのこと。そこで、「Iris Browser」を開発するTorch Mobile社に白羽の矢が立てられました。会社ごと買収し、開発者を招き入れるという力業です。このようにしてブラウザ機能の底上げを図ろうと考えたわけです。
そこで心配になるのが、Windows Mobile用「IRIS Browser」の開発です。Torch Mobile社のサイトでは既にWindows Mobile用最新版のダウンロードが停止されています。トップページの声明には、引き続きWebkitコミュニティへの関わりを続けるとありますが、RIM社の一部門となるわけですから、WM版が片手間になり開発ペースが落ちる事が予想されます。最悪なケースでは、このままフェードアウトということも考えておかなくてはなりません。
Windows Mobileのメリットのひとつとして、ユーザが選べるほどwebブラウザが用意されていることが挙げられます。その中でもかなり期待していたブラウザでしたので、このまま消えて行くとなればとても残念です。WMとBlackBerryはいわばライバル同士でもありますので、仕方がないといえばそれまでなのですが…。