July 08, 2009

 The Electric Flag「A Long Time Comin'」(512828 2)

最近のマイブーム、マイク・ブルームフィールドつながりでもう1枚。サイケな雰囲気の妖しげなジャケットが目を引くThe Electric Flag「A Long Time Comin'」です。

ポール・バターフィールド・ブルースバンドを脱退したマイク・ブルームフィールドが「An American Music Band」のコンセプトを掲げて結成したThe Electric Flagのファーストアルバムです。ロック、ブルース、R&B、ラテンなどジャンルにとらわれることなく、それらを巧みにアレンジして自分たちのスタイルに昇華した意欲作です。

#1「Killing Floor」はハウリン・ウルフのブルース。オリジナルはヒューバート・サムリンのエッジの効いたカッティングが印象的ですが、こちらは小気味いいホーンのアレンジと伸びやかなギターのトーンが印象的な仕上がりとなっています。#5「wine」アップテンポなブギー。アマゾンのレビューで「ユーノウ、ジャニス・ジョプリン、知ってる?」という空耳があると紹介されていますが、確かに2:31あたりでそのように聞こえます。#8「Another Country」はサイレンから始まる8分以上に渡る大作です。中間のカオスなパートを経て、いきなりラテンロックに様変わりしたりと組曲のような構成となっています。それから、ボーナストラックの#11「Sunny」はボーカルが情感豊かに歌い上げ、なんとも心揺さぶられます。

一通り聴き終えて、掲げたコンセプトに忠実でバラエティに富んだ楽曲が収められたクオリティの高い作品であることを実感しました。また1枚、愛聴盤と呼べる作品にめぐり合うことが出来て満足しています。


投稿者 bitterbit : July 8, 2009 10:24 PM