最近、キリンビールの「一番搾り」が麦芽100%のレシピでリニューアルされました。
そもそも、麦芽100%とは何ぞや? となるわけですが、それにはまず酒税法におけるビールの定義から確認しておきたいと思います。
新しい「一番搾り」は、ビールの原料として認められている最小限のもの、水、麦芽、ホップ、酵母から造られています(ドイツのビール純粋令「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」に合致)。一方、リニューアル以前は風味やキレを与える目的で米やコーン、スターチ等のいわゆる副原料が加えられていました。リニューアル版は副原料を用いていませんので、それを「麦芽100%」と表現しているわけです。プレミアム・モルツやヱビスがこの麦芽100%路線で好評を得ていますので、それに対抗するためなのかもしれません。ちなみに、実際に飲んでみると以前にも増してスッキリ感が強調され、より軽くなった印象を持ちました。残念ながら、個人的には少々物足りない感じです。
いずれにしても、「麦芽100%」だろうが、副原料を使っていようが、実際に味わって美味しいと思えれば、それでOKだと思っています。そこに拘り過ぎて、美味しいビールと出会うチャンスを失うことになるとしたら、もったいない話です。