ベアレン醸造所:経過報告(2/12)
盛岡のブルワリー「ベアレン醸造所」で発生した死亡事故は、とてもショッキングでした。以来、原因の解明が続けられていますが、今日になってブルワリーから経過報告がありましたので、簡単にまとめておきたいと思います。なお正確を期するため、エントリの最後にある一次情報も必ずご覧下さい。
原因について
- 未だ特定に至らず タンクの圧力および強度について調査を継続
現状で判明していること
- 事故直前にはタンクから樽へビールの詰込みを実施
- 操作に問題はみられず
- 炭酸ガスは減圧弁を通じ0.1Mpaという通常の圧力で供給され、機器の正常動作を確認済み
- 詰込み済のビールについては、樽のガス圧、ビールのガスボリューム共に正常値であった
- 破損したタンクには、圧力計測用のゲージ、スプントバルブ(発酵によるガスを緩やかに抜く装置)は装備されず
→該当タンクは完成したビールの貯蔵用であったという理由
タンクについて
- 約40年前にドイツで製造されたもの
→日本では珍しいが、ドイツでは多く使われている
- 素材はアルミ製
- タンク強度の定期検査は実施されず
- 経年変化(金属疲労、溶接面の腐食など)による強度への影響、取扱い不備の可能性は否定せず
- 取扱い、検査方法など、専門業者の助言の下で改善を行う
今後の対策
- すべてのタンクへの圧測定用のゲージ取付け
- 稼動タンクへのスプントバルブの取付け
- 減圧弁の再設置、異常な圧力上昇を回避する安全装置の取付け
- 作業手順の見直し、文書化
ファンとしては、一日も早い操業を期待してしまう面もありますが、ここはじっくりと腰を据えて原因追及と再発防止策を練って頂きたいところです。それが再起への第一歩となるのは間違いありませんし、何よりも亡くなられた佐々木ブルワーへの遺志を継ぐことに他ならないと思います。
投稿者 bitterbit : February 12, 2008 09:37 PM