15年前に飛ばされた手紙付の風船が、巡り巡って銚子の漁師へと届けられました。それも、カレイの背中に張り付いていたという、まるでおとぎ話のようなニュースです。
1993年、川崎の小学校から創立120周年を記念し手紙付の風船が飛ばされました。その中の一つが、何処をどうさまよったのか15年の歳月をかけ、学校から100kmあまり東の太平洋で働く漁師の元へ届けられました。銚子の底引き網漁船「第8大徳丸」が水揚げしたカレイに手紙と風船の残骸が付着していたのが事のきっかけです。手紙ははっきり読める状態で、銚子市漁協が小学校へ問い合わせたところ、創立120周年の記念で飛ばされた風船と判明したそうです。手紙の送り主は「しらひげなつみ」さん(当時1年生)で、現在大学生。ここからも、15年という時の流れを感じさせます。
手紙は全文は次の通りです。
おてがみをひろった人へ
わたしは小がっこう1ねんせいです。いまわたしたちのがっこうは、百二十さいです。そのおいわいで、みやしょうおんどをうたったりおどったりします。このおてがみをひろったかたは、おへんじをください。
しらひげなつみ
川崎市宮前区馬絹1795
川崎市立宮崎小学校
陳腐な言い方になってしまいますが、まさに「事実は小説より奇なり」といったところでしょうか。また、「イルカ」でもなく「クジラ」でもない「カレイ」の背中と言うのが、このエピソードの面白いところだと思います。