今夜は贅沢にも、ライ麦のビールを飲み比べてみました。
一口にライ麦のビールと言っても、両者は全く異なったキャラクターを持っていました。なぜ、このような違いが生じるのか調べてみたところ、そもそもライ麦だけではビールを作ることは出来ないそうです。必ず大麦麦芽を使う必要があるとのこと。ですので、ベースとなるビールの選択、ライ麦の使用比率などがブルワーの腕の見せどころとなります。
まず、伊勢角屋麦酒の「ライエール」。赤銅色で粘りをもっており、トロトロとした感じがまるでバーレイワインのようでした。泡立ちは弱め。口に含むとピリピリと炭酸を感じ、ほどなく苦味、柑橘系のホップの香り、それらが消えるとライ麦パンを食べたような余韻を覚えました。ベースはアメリカンスタイルのペールエールのようで、柑橘系の香りと、粘りをともなった力強い味わいが特徴です。
それから、ベアレン醸造所の「ライ麦ビール」です。こちらは少々濁った感じで、ヴァイツェンのよう。それもそのはず、大麦に加えて、小麦も使用されており、まず一口目はヴァイツェンを飲んでいるようでした。飲み進んでいくうちに、じわじわと口の中にライ麦の味わいが広がっていきました。以前からこちらのヴァイツェンのファンなのですが、「ヴァイツェン+ライ麦」がこれほども相乗効果をもたらし、一味も二味も違うビールを生み出すとは、ただただ感心するばかりです。
ライ麦のビールを飲んだのは初めてでしたが、美味しく頂くことが出来ました。いずれのビールも限定醸造のため、いつでも楽しめるわけではありませんが、機会があれば、是非、もう一度購入してみようと思います。