October 30, 2007

 アイピーモバイル、迷走の果てに…

2005年にBBモバイル(ソフトバンクグループ)、イー・モバイルと共に、総務省から携帯電話事業の新規参入の認可を受けたアイピーモバイルが、事業免許を返上し東京地裁へ自己破産を申請しました。負債は約9億円。

免許の交付時に「2年以内にサービス開始すべし」という条件があり、そのリミットが来月9日と迫っている中、今回の発表となりました。刻々と期限が近づくも事業化の目処が立たず、これまで2度のサービス開始の延長を行っていました。それだけではなく、この春に一部のマスコミで事業の断念が報道されると、筆頭株主がマルチメディア総合研究所→森トラスト→NextWave Wireless(米通信ベンチャー)→森トラスト→アイピーモバイル杉村五男会長と、めまぐるしく移動しました。

このような迷走を続け、免許返上は必至とみられていましたが、経営陣はあくまでも強気でつい先日も通信方式を変更し香港の企業に支援を要請したとのニュースがありました。結局、それは実現しなかったようです。こうして、免許を受けた3社のうち、実際に事業を開始したのはイー・モバイルだけとなりました。なお、BBモバイルは、ソフトバンクがボーダフォンを買収し、携帯事業に参入したため免許を返上しました。

迷走の果てにたどり着いたのは、破産という最悪のケースとなってしまいました。再び同じ轍を踏まないためにも、過去に遡りそもそも認可すべきであったかを含めて精査する必要があるのではないでしょうか。

投稿者 bitterbit : October 30, 2007 09:08 PM