日本を代表する名ドラマー、石川晶さんの1970年の作品です(石川晶とカウントバッファロー・ジャズ&ロック・バンド名義)。
アルバムのタイトル、そしてジャケットからは泥臭いアフリカのリズムを民族楽器で演奏するエスニックな作品なのではと、先入観を持ってしまいそうですが、いい意味で期待を裏切った作品に仕上がっています。というのも、全編を通して石川さんのドラムをバックに、ハモンドオルガンやギターがある時はロックな感じで、またある時はジャジーに絡み合う、実に洗練された作品に仕上がっています。もちろん、アフリカン・パーカッションも適材適所にスパイスのように使われているのは言うまでもありません。中でも7曲目「アフリカの想い出」のゆったりと落ち着いた感じが、個人的にはとても気に入っています。それにしても、ジャズ、ファンク、ロック、あるいはそれらが混沌となってアルバムという一つの世界が構築されていくわけですが、その世界の奥深さにただただ驚くばかりです。個人的には4枚の作品しか聞いていませんが、それだけでも内容の濃さは比類のないものだとはっきりとわかります。
これからも、多くのタイトルが復刻され、よりディープな世界へと誘ってくれるのを期待しています。