テナーサックス奏者、ファロア・サンダースの1981年録音のライブ盤です。
購入前からあちこちのレビューを読んでいたのですが、いずれの文章にも「熱い」というキーワードが必ず登場していました。こうなると否が応でも期待が高まります。そして、実際に作品に触れてみると、その言葉に偽りはありません。兎に角「熱い」です。5曲(1曲はボーナストラック)の熱演がギュッと詰め込まれています。
1曲目「You've Got To Have Freedom」はサックスの雄叫びから始まります。いきなりトップギアで疾走します。そのエネルギーはかなりのもので、メンバー紹介を歌い(叫び)ながらやっています。「ジョン・ヒックス!! オン ピア〜ノ〜 グレイト、ジョン・ヒックス オン ピアノ!! オン ピア〜ノ〜!!」こんな感じです。2曲目「Easy To Remember」は一気にクールダウン。しっとりとサックスが歌っています。3曲目「Blues For Santa Cruz」はブルース。ノリノリになったファロアが、ボーカルをとります。そして、4曲目「Pharomba」。曲名はファロア+サンバから来ているのでしょうか? ラテン風に始まり、4ビートそれからまたラテンとリズム遊びが面白い曲です。一口に遊びと言っても高度な演奏力あってのことなのは言うまでもありません。最後にボーナストラックの「Doktor Pitt」ですが、20分にも渡る曲です。1曲目にも負けず劣らずの熱い演奏を楽しむことが出来ます。ヒートアップしたファロアが「イェーッ イェイェイェイェイェ」とシャウトする場面が何とも印象的です。
この作品は数年前までCD化されず、幻の名盤となっていたそうです。それを考えると、数多の埋もれた名盤にいつしかスポットライトが当たることを願わずにはいられません。