米国時間9日、サンフランシスコで開幕したMacWorld Expoにて、アップルはセットトップボックス「Apple TV(発表時はiTV)」とスマートフォン「iPhone」という2つの新製品を公開しました。
どうもそのニュースに埋もれがちですが、もうひとつ重要な発表がありました。長らく親しまれてきた社名を「Apple Computer, Inc.」から「Apple Inc.」したというものです。今回の発表にMacの新製品が含まれていなかったことや、iPodとiTMSを中心とした音楽配信ビジネスが同社の売上高の半数以上を占める現状を考えれば、自然の成り行きだと思います。
コンピュータを企業で使用する事務機器という存在から個人のための道具へとするためのアップルの歩み、特に1984年発表のMacintoshでIBMという巨人に挑戦したわけですが、それが社名変更をもって完結したと解釈できます。そう考えると、「Apple = Mac」の図式はすでに過去のものとなったことでもあり、一抹の寂しさを覚えるのもまた事実です。
昨年アップルは創業30周年を迎えましたが、この次の30年で我々の度肝を抜く製品がどれだけ生まれてくるのか、そんなことを考えながら新しい門出を祝福したいと思います。