小学生の頃に熱中していたもので、まず思い浮かぶのが鉄道です。低学年から中学年にかけてあちこちの電車に乗り、写真に収めていました。
その頃の思い出として思い浮かぶのは、行先を表示する方向幕が終点で次の行先に変わるのを、飽きずに眺めたことでしょうか。興味のない人から見ればただ単に次々に駅名が表示され、行先の駅名で止まるだけのことですが、当時の私にとっては小さな窓に普段は表示されないであろう駅名が一瞬でも現れるのを嬉々として見つめていたのもでした。
時は流れ、現代においてはこの方向幕はLED式に変わりつつあります。これは発光ダイオードを使った仕組みですので、一瞬で設定した駅名が表示されます。これでは、かつて「普段は表示されないであろう駅名」を嬉々として眺めたようなことはもはや不可能です。
そもそも、そのような楽しみ方をするものではないと言われればそれまでですが、電車に熱中したあの頃を思い出すにつれ、これから電車好きの子どもたちが「方向幕ショー」を見るチャンスを失うことにもなり、残念に思います。