28.8kbpsのアナログモデムでインターネットに接続していた頃を思い出すと、まず思い浮かぶ一本のアプリケーションがあります。
米コーネル大学で開発されていたビデオ会議アプリケーション「CU-SeeMe」です。モノクロの小さなウインドウでしたが、ビデオと音声によるコミュニケーションが出来ました。実際は、当時のMacのスペックや回線環境の制限から、ビデオはモノクロの紙芝居、音声は負荷が多いので使用せず、文字によるチャットでコミュニケーションしていました。
ビデオには当時Connectix社から発売されていた「QuickCam」というMacのシリアルポートに接続するタイプのカメラを使っていました。鬼太郎のおやじのようなユニークなルックスの製品でした。
使い方はリフレクタと呼ばれるサーバーに接続して、同じリフレクタに接続しているユーザとコミュニケーションを図ります。主な国内のリフレクタは、東大や筑波大など大学に設置されていたように思います。
Skypeはおろか、ADSLなどの一般ユーザ向けの常時接続環境すらない時代でしたが、インターネットの醍醐味をたっぷりと教えてくれたアプリケーションでした。