SME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)は、著作権保護機能を付加したレーベルゲートCDを全廃すると発表しました。まず10月発表の一部の作品から廃止し、11月17日以降発売される全作品については著作権保護機能のない通常のCDとしてリリースするとのことです。
先だって、AVEXもCCCD仕様のCDの採用を各制作者に任せるなどの柔軟な運用をする旨の発表を行いましたが、SMEはそれより一歩踏み込んで、全廃を表明しました。
全廃の理由として、プレスリリースでは以下のように述べられています。
その導入より2年弱が経過した現時点において、導入前に比べますと、著作権保護に対して、多くの音楽ユーザーの意識が高まり、一時の混乱期を脱したと判断されるとともに、法的環境の整備も進んできました。
その状況に鑑み、SMEJでは、音楽ユーザーが求める音楽パッケージのあるべき姿について慎重な議論を重ね、その結論として、新譜の発売について、“レーベルゲートCD”仕様の終了を決定いたしました。
これは、表向きの説明だと思います。本当のところは、グループ企業で、こういった製品を販売しておきながら、コピーコントロールされたCDを販売する状況をいち早く解消したかったためだと思います。というのも、このNetwork WalkmanやiPodに代表される携帯プレーヤはCDから音楽を移さないことには何の意味もなく、著作権保護機能を付加したCDはまさにコピーをさせないための仕組みですので、このような携帯プレーヤーの利用上の障害となります。
iPodのヒットや自社グループでもNetwork Walkmanが発表されるなど、携帯プレーヤー市場はますます活気づくと思われます、この将来性を鑑みて今回のような措置をとったと考えるのは想像に難くありません。
いずれにしろ、何かと不便を強いられた機能が廃止されるのは歓迎すべき事だと思います。