July 31, 2004

 ヒジキ中のヒ素に関するQ&A(厚生労働省)

先日イギリス政府が、ひじきに含まれるヒ素の健康被害を避けるため、ひじきの摂取を止めるように勧告を出しました。これに対して日本政府の厚生労働省医薬食品局食品安全部がQ&Aを発表しました。

厚生労働省はひじきを摂取することのリスクについて以下のように解説しています。

平成14年度の国民栄養調査によれば、日本人の一日あたりの海藻摂取量は、14.6gですが、これは、海苔や昆布といった他の海藻類を含んだ量です。海藻類の国内生産量、輸入量及び輸出量から、海藻類のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、6.1%であり、摂取量の割合もこれと大きな差はないと推定すれば、ヒジキの一日あたりの摂取量は約0.9gとなります。  一方、WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg/ 人/日に相当します。FSAが調査した乾燥品を水戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありません。

海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。

また、ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでいます。

以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思われます。

また今後の対応については、以下のように述べています。

食品安全委員会、農林水産省など関係府省と連携し、国際的な状況も踏まえた上で、必要な対応をとっていきたいと考えております

日本政府としては、早急に何らかの措置をとる必要はないと考えているようです。現状では、ひじきを食べるかどうかは個人の判断ということになるかと思います。

投稿者 bitterbit : July 31, 2004 02:30 PM