最近NHK教育にちなんだ話題をよく取り上げているような気もしますが、もう少々おつきあい下さい。
かつて、NHK教育で放送されていた小学校低学年向けの音楽教育番組『ワンツー・どん』は、子(猿 or 熊 or ?)のどん君が、歌のお姉さんやお兄さん、リズムの石川のおじさんなどの出演者と楽しく音楽を学ぶというコンセプトのものでした。なかでも、「石川のおじさん」こと石川晶氏はモーリス・ホワイトばりのアフロ・ヘアでファンキーなキャラで親しまれ、トーキング・ドラムをはじめとする数多くのアフリカン・パーカッションを子供たちに紹介していました。
最近ふとしたきっかけで石川氏の経歴について調べてみたのですが、ジャズ〜フュージョン系のシーンでめざましい活躍をされた方だということが分かりました。その経歴とは、ビッグ・バンドのドラマーとしてキャリアをスタートさせ、のちに独立。アニメやドラマなどの劇伴を手がける一方で、自らリーダーを努める「石川晶とカウント・バッファローズ」を結成。このグループは固定メンバーを持たず、その時その時のシーンを賑わすミュージシャンとのセッションという形で作品を発表していました。
気になる作品ですが、現在比較的入手しやすいものは1975年発表の『GET UP!』(CDSOL-1042)。ジャズ〜フュージョンに興味がある人は必聴です。内容について多くは語りませんが、タイトでスムーズなリズムセクションをバックに演奏されるナンバーは「石川のおじさん」がただのファンキーなおじさんだけではないことを証明していると思います。
石川氏はその後、長年の希望であったケニアのナイロビに移住し、ストリート・チルドレンを支援するNGOを設立し、子どもたちのために尽力されました。しかし、残念なことに2002年2月18日に脳出血のためにナイロビにて逝去されています。現在NGOは長男の石川和博氏がその遺志を継ぎ代表を務めています。